映画感想:腑抜けども、悲しみの愛を見せろ

2007 日本
監督:吉田大八

評価:★★★☆☆

完全にタイトルのキャッチーさに釣られて観た映画。女優志望だけど才能のまるでない、しかし大女優だと思い込んでいる勘違いがイタイ姉と、漫画の才能を持ちながらも家族をネタにしてしまったことがばれて、表向き漫画を書くことを封印し、姉からのいじめに耐える妹。さらに姉に全く頭が上がらないのに妻にはつらくあたる兄に、純朴すぎる振る舞いがおかしな兄嫁。キャラ設定からしてネジが飛んでいる。

両親の交通事故死からはじまるこの映画は、姉妹間の執拗ないじめや夫婦間のどなりあいなど、観ていて苦しいシーンの連続。ラストまでみても救いらしき救いはない。これだけ痛い映画を、観る人を飽きさせず、しかし淡々と描ききった監督の手腕はすごい。そして…最後のバスのシーンは、2時間観たかいがあったと思えるラストだと思う。助け合えず、寄り添えず、でも分ち難くつながっている、悲しみの愛。個人的には好きだけど、人に勧めるには勇気がいるので★3つ評価で。

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