勝間和代VSひろゆき 話題のTV番組の内容を観て思ったこと


BSジャパン デキビジの『勝間和代 VS 西村ひろゆき』の対談が面白いと話題を読んでYouTubeで視聴してみたが、確かに面白い。
議論の内容というより、二人がかみ合わない違和感、この違和感がどこから来るのか…

畳み掛けるような勝間氏のしゃべりに圧倒されて論点がよく見えなかったので、ちょっと整理してみた。

インターネットの中でのルールをどうやって作っていくか(勝間氏、以下敬称略)

  • ひろゆき氏(以下敬称略):それは教育ではないか。
  • ひろゆき:サービスの提供者が決めることではない
  • 勝間:場が荒れないようサービスの提供者がルールを規定すべき

この時点では、どちらも正しいと思う。サービスとして提供する以上ある程度のルールを規定する必要はあるだろうし、その責任も求められているが、結局は社会のルールとして教育で解決していくべきなのもその通りだ。

現実のサービスでも、例えば飲食店。店によってホールスタッフは呼び鈴で呼べとかペット禁止とかツンデレメイドに失礼な態度を取られても怒らないとか、様々なルールが必要だと思うが、すくなくとも騒いで他の客に迷惑をかけないとか、最低限の共通ルールはあるし、それは教育によってなされているのだ。

中傷やうっぷん晴らしのような書き込みは正しいのか(勝間氏)

  • ひろゆき:社会ってそんなものでは。居酒屋の会話もたいてい愚痴
  • 勝間:インターネットは拡声器なので、中傷も拡大してしまう。
  • 勝間:クロストークでは、実名で投稿してもらっている。

インターネットは拡声器というのは、少し乱暴な言い方だ。非公開の日記やコミュニティでの会話は拡散しようがない。逆にTwitterではRTによって発言が容易に拡散する。要はツールによって拡散しやすさも違うのだけど、インターネットでの発言は総じて拡散しやすいのは事実で、その危険性は利用者全員が認識すべきだと思うが、これはやはり教育の問題。

というか、時にはうっぷん晴らし、必要だと思うけどね。

実名でも問題のある投稿をする人はいるが?(ひろゆき)

  • 勝間:IPアドレスを請求して実名を突き止める
  • ひろゆき:問題発言の発言者を突き止めるトレーサビリティが担保されていれば、実名かどうかは関係ないのでは。
  • 勝間:それはコストの問題。
  • ひろゆき:IPアドレスから個人を特定するコストは、実名か否かに関係がない。
  • 勝間:IPアドレスから個人を特定するかどうかを判断するコストが違う。
  • ひろゆき:IPアドレスから個人を特定する必要があるほどの問題発言なら、実名か否かに関係がない。

匿名だから中傷しやすいのは事実だと思うが、それを規制するのが正しいのかどうか。という議論をしてほしかったが。発言内容を信頼されたい場合、実名の方がより信頼されやすいというバイアスが働く、それでいいではないか。

逆に、仮名だからこそ表には出にくい生の問題が浮き彫りになることがある。しかし、そういう発言は取扱に注意が必要、それでいいではないか。。。

ビジネスをする時、名刺を渡さないのか。(勝間)

  • ひろゆき:渡します。
  • 勝間:じゃあ、名前を名乗らなくていいとどうして考えるのか。
  • ひろゆき:全然違う話をしていますよね。
  • 勝間:リアルでは名前を開示して信頼を得ようとするのに、なぜインターネットだけ匿名でいいのか。

この後の議論は不毛なので割愛するほかない。インターネットが写像であるかどうかは置いておいて、勝間氏がこの後に発言する「ひろゆきさんと私では価値観の違いがあってお互いのフィールドに逃げてしまって議論にならない」という言葉は面白い。これにたいして、ひろゆき氏は「僕は逃げてませんよ」と返しているが、より正確には認識の違いなのだろうと思う。勝間氏はインターネットを特定の某有名掲示板、リアルをビジネスシーンと想定して話しているが、これはアンフェアだろう。逆にひろゆき氏は、ビジネスユースを含むインターネット上の様々なサービスを想定しているし、リアルの側では友達との付き合いやイベントなど、ビジネス以外の人間関係まで想定している。

ところで個人的に勝間氏の言葉を興味深く思うのは、ビジネスにおいて実名であることがそんなに大事だろうか?という疑問がそこから導きだされるからだ。

もっと言えば、実名だけ書かれた名刺を渡されても、おそらく人は信用しない。実名以外の、属している組織やら、住所がきちんと書かれているやら、固定電話番号が書いてあるやら、デザインがイケてるやら、そういう諸々の判断基準がある。つまり、実名であることはちっとも信用に結びつかないのだ。個人名が信用に結びつくのは、個人名でビジネスをしていてそれなりの実績と知名度があるからだ。それならば、ハンドルネームでビジネスをしていても、実績と知名度があれば信用されるのではないか?

すでに、Lancersなどのサイトでは匿名でビジネスが可能だ。実際にこのサイトでWebの仕事を受けたりしているが、そこではサービス提供者、発注者、受注者の3者がそれぞれ、ビジネスにおける信用とは何か、という問題を考えていく必要がある。今のところ、このサイトでは実績や評価を重視していて、実名にはこだわっていない。

さて、この後の対談はすれ違いに終始しているので、若者の起業促進など興味のある話題だったのに特に面白い話はなかった。

Facebookでは実名が普通で、Mixiでは実名を明かさない人が多い。これを、日本の労働市場の硬直性に求めるのが本当に正しいのかどうか。

新卒社員のトンデモ行動を嬉々として取り上げる報道や、安易な起業指南にはうんざりだ。「今どきの若いもんは…」VS「老人の既得権益が…」では、ちっとも解決策は見えてこない。

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